『チ。-地球の運動について-』あらすじと感想|地動説の研究と人々の思いを繋ぐ物語

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『チ。 -地球の運動について-』

全8巻ながら累計売上部数250万部を突破し、数多くの漫画賞を受賞した『チ。-地球の運動について-』

地動説の証明、他の誰かに繋げることに命をかけた人々を描いた作品。放送開始は未定ですが、アニメ化されることが2022年6月22日に発表されており、完結後もますます話題になっています。

この記事では、『チ。-地球の運動について-』のあらすじと感想、おすすめのポイントについて紹介していきます。

この先、あらすじを紹介するに当たって、少しだけネタバレを含むので、全く何の情報も知りたくないという方はお控えください。

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目次

『チ。-地球の運動について-』|あらすじと基本情報

『チ。-地球の運動について-』
原作・原案魚豊
掲載誌『ビッグコミックスピリッツ』(小学館)
ジャンルヒューマンドラマ
巻数完結済み 全8巻

『チ。-地球の運動について-』のあらすじ

「地動説」をめぐる物語。

15世紀前半のヨーロッパ、P王国では「C教」という宗教の教えこそが正しいとされる世界でした。C教の教えに反した異端者は、厳しい拷問や処刑を受けることとなります。

この時代のC教では「天動説」地球が宇宙の真ん中にあり、太陽や星が地球の周りを動いている説が信じられていました。つまり、太陽を中心に地球が周っているとする現代では常識とされる「地動説」は、C教の教えに反する異端思想とされるのです。

孤児として生まれたラファウは、わずか12歳で大学へ入学することとなる神童。天文が好きなラファウは、本来なら天文を専攻したいところですが、義父・ポトツキからの反対を受けたために神学を専攻することを約束します。

しかし、地動説の研究者フベルトとの出会いによって、地動説の美しさ、宇宙に魅了されていきます。ラファウは、異端と罰せられる危険を背負いながらも「地動説」を研究するのでした。

『チ。-地球の運動について-』の登場キャラクター

『チ。-地球の運動について-』ラファウ

ラファウ

頭が良く、将来を期待される神童。元々天文に興味があったが、フベルトに出会い「地動説」に魅了されていく。

『チ。-地球の運動について-』ノヴァク

ノヴァク

元傭兵の異端審問官。不真面目な態度ではあるが、異端者を罰することに関してはしっかりと仕事をこなす。

『チ。-地球の運動について-』フベルト

フベルト

地動説に関する異端思想によって1度捕まっていた学者。ラファウの義父の元に引き取られ、再び地動説の研究を始める。

『チ。-地球の運動について-』オクジー

オクジー

代闘士として働く男。この世に希望はなく、天国にのみ救いがあると信じているが、現世に希望を持つ人との出会いによって考えが揺らぎ始める。

『チ。-地球の運動について-』の魅力|おすすめポイント

『チ。-地球の運動について-』第二巻表紙

全8巻ながらも、非常に濃い内容の作品です。

  • 数十年をかけて「地動説」への思いを繋ぐ
  • 「信じるとはなにか」を考えさせられる
  • 裏主人公「ノヴァク」目線で読むのも面白い

数十年をかけて「地動説」への思いを繋ぐ

物語は、第1巻の主人公・ラファウの時代から数十年の時を経て完結へと向かいます。フベルトからラファウへ地動説の研究と思いが伝わったように、長い年月をかけて後世の誰かへと「地動説」が繋がっていく物語です。

C教の教え、神の教えによって、自ら命を断つ行為や、異端思想などは決してあってはならない時代。

現代に生きる私たちには理解できる部分もありますが、研究のためや、思いを繋ぐために進んで命を捨てるのは理解不能な行為です。なぜなら、天国へ行けなくなると信じられているからです。

それでもなお、自分の命に代えても地動説の研究を繋いでいく。その思いの強さ、信念に心を打たれる作品です。

「信じるとはなにか」を考えさせられる

『チ。-地球の運動について-』は宗教による常識や考え方が描かれている作品なので、登場人物の信じている思想と知りたいという欲求が重要なポイント。

人々の思いや信念

  • 異端と知りながらも地動説を研究したい
  • 美しくない世界に生きたくない
  • 天国にこそ希望がある
  • 異端論者は絶対的に悪であるなど

第1章の主人公・ラファウは、異端思想で罰せられると知りつつも地動説を知りたいという自分の気持ちを信じていきます。

地動説の研究を軸に、各キャラクターの思いや信念を色濃く描かれているので「生きるとはなにか」「信じるとはなにか」を考えさせられる作品です。

裏主人公「ノヴァク」目線で読むのも面白い

この作品は第1章から第4章までの構成になっており、章ごとに登場人物が変わる作品です。しかし、異端審問官のノヴァクだけは章をまたいで登場します。

この作品は、第1章の主人公・ラファウなど、地動説の研究に関わる人物目線で物語が進んでいくため、地動説を異端として罰するノヴァクは敵役です。ですが、ノヴァクにはノヴァクの正義のもとに行っていることなので決して悪ではありません。

神の教えの解釈では、地動説は異端思想だと教会から教えられたノヴァクは盲目的に地動説の研究を取り締まり続けます。

物語が進むにつれて、ノヴァクもまた地動説によって人生が動かされていくのです。ただの敵役ではなく、影の主人公と言える人物です。

『チ。-地球の運動について-』の口コミ・評判

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『チ。-地球の運動について-』第四巻

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『チ。-地球の運動について-』についてのまとめ

地動説を軸にした珍しいテーマでありながら、完結してもなお話題にのぼる作品。アニメ化されればさらに人気が出そうな漫画です。

信仰による制限と人間の知りたい欲求による葛藤が見事に描かれています。

『チ。-地球の運動について-』おすすめポイント

  • 数十年をかけて「地動説」への思いを繋ぐ
  • 「信じるとはなにか」を考えさせられる
  • 裏主人公「ノヴァク」目線で読むのも面白い

全8巻とは思えない圧巻の内容。深くとも読みやすい作品なので、ぜひ読んでいただきたい漫画です。

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